TOP 投資/ソーシャルレンディング コラム一生続く不動産投資!?注目の不動産クラウドファンディング「i-Bond」を徹底解説

超低金利時代が続いているため、何で運用をすればいいのかわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな中で注目が集まっているのが不動産投資。不動産投資は預貯金より、利回りが高く、株式のような日々の激しい値段変動が無いため、長期の資産形成に向いていると言われています。

しかし、不動産は高額でなかなか投資用の不動産を購入できる余裕がある方は少ないでしょう。また、不動産投資には管理の手間がかかることがネックになることもあります。このような悩みはソーシャルレンディングの不動産クラウドファンディングという仕組みを使う事で解消することができます。

今回は近年急激に拡大している不動産クラウドファンディングの仕組みと注目の「i-Bond」についてご紹介します。

不動産クラウドファンディングとは

不動産投資のイメージ画像

まずは不動産クラウドファンディングとはどのような仕組みなのかみて行きましょう。

クラウドファンディングとは

まずはクラウドファンディングの仕組みを解説します。クラウドファンディングとは多くの人からお金を集める仕組みのことです。クラウドは「群衆」、ファンディングは「資金調達」を意味します。従来の資金調達は銀行等の金融機関からお金を借りて事業を行うことが一般的でした。

従来の資金調達の手段では銀行の審査を受けてお金を借りるということになりますので、お金を借りられるかどうかは銀行の審査基準によって決まります。銀行の審査基準では「貸したお金を返せれるかどうか」に重点が置かれており、特に重視するのが担保です。

万が一事業が上手く行かなくなった場合に、売却して借りたお金を返済できるような財産が無いとなかなか銀行は融資をしてくれません。一方のクラウドファンディングは多くの人にインターネット等で呼びかけて直接事業内容を訴えます。

個人の出資者は「この事業は上手く行きそうだ」、「この事業に是非出資をしたい」と考えれば出資をするため、担保が無くても資金を調達することもできるでしょう。クラウドファンディングは欧米では広く使われていた手法ですが、日本ではあまり広がっていませんでした。

しかし、東日本大震災の時に寄付金を集める目的で行われたことがきっかけとなり、日本でも広がりました。新しい資金調達手段として今後も活用が広がることが予想されます。

なぜ不動産投資にクラウドファンディングが使われている?

クラウドファンディングの仕組みの中でも非常に多く使われるのが不動産投資です。不動産投資のための資金調達を目的とするクラウドファンディングを不動産クラウドファンディングと言います。なぜ不動産投資にクラウドファンディングがよく使われているのか理由をみて行きましょう。

POINT

まず一つ目はクラウドファンディングの仕組みを使うことで、一人一人の出資額が少なくても投資ができるため、個人投資家のハードルが下がっているという点があげられます。不動産投資は最低でも数百万円、場合によっては1億円を超える投資となります。

このような資金を一人で用意できる投資家は多くはありません。一方、クラウドファンディングの仕組みを活用すれば、一人一人の出資額は少なくても大きな不動産を購入することができます。例えば、1億円の不動産であっても、1,000人で投資をすれば一人あたり10万円で投資を行うことができます。

そのため、「不動産投資はしたいけど、大きな資金は用意できない」というニーズを上手く取り込めているのです。もう一つの理由は管理の手間がかからないという点です。不動産投資は物件の選定や建物の修繕、家賃の管理など様々な業務が発生します。

個人の方が別の仕事をしながら行うのはなかなか難しいでしょう。しかし、不動産クラウドファンディングであれば、実際の運営はクラウドファンディングを運営している会社が行ってくれるため、投資家にはほとんど手間がかかりません。

POINT

インターネット上の手続のみで運用ができるため、手間がかからないという点は忙しい投資家にとっては大きなメリットになります。不動産クラウドファンディングは投資家にとってのメリットが非常に大きいため、今後も市場が拡大していくことが予想されます。

注目の不動産クラウドファンディング「i-Bond」

i-Bondのイメージ画像

今回は不動産クラウドファンディングの中でも注目を集めるi-Bondについてご紹介します。

運営会社の株式会社マリオン

まずはi-Bondを運営している株式会社マリオンについてご紹介します。マリオンは1986年創業の歴史ある会社です。東京証券取引所JASDAQスタンダード市場に上場しており、主な事業内容は不動産の賃貸業と証券化事業です。

不動産の賃貸事業では2019年9月末時点で、1,277件の不動産を管理しており、不動産の管理のプロと言えるでしょう。また、証券化事業に関しても不動産を投資性の資産として早くから目を付け、一口100万円の小口販売をするマリオンボンドという商品を販売しています。

つまり株式会社マリオンは不動産クラウドファンディングの運営に必要な不動産の管理運営や投資家に利益を分配するノウハウをしっかり持っていると言えるでしょう。

i-Bondの募集案件

次にi-Bondの募集案件について見て行きましょう。

POINT

【募集概要】

出資可能金額:94,150,000円

予定分配率:1.5%

分配頻度:年1回

運用期間:無期限

最低出資額:10,000円

解約:24時間365日可能(5営業日後に換金)

優先劣後割合:株式会社マリオンが5%劣後出資

売却による損失:株式会社マリオン負担

鑑定評価による含み損:投資家負担

i-Bondの特徴的な点は運用期間が無期限であると言う点です。投資家が損失を被るとすれば、鑑定評価による含み損が発生した場合です。i-Bondでの運用は基本的に対象不動産を保有し続けて、年に1回分配があります。

しかし、対象不動産が値下がりして元本が下がってしまった場合、投資家の元本も減ってしまう仕組みです。つまり、10億円の不動産が8億円に値下がりしてしまった場合、値下がり分の評価は投資家に帰属するということです。

しかし、i-Bondでは優先劣後方式を採用しています。優先劣後方式とは優先投資家と劣後出資者を分けて、万が一元本が毀損した場合、優先投資家に優先的に分配すると言う仕組みです。i-Bondでは運営会社である株式会社マリオンが5%劣後出資をしていますので、鑑定評価の際に5%までの下落であれば、投資家は損をしないということになります。

i-Bondで投資をするメリット

メリットのイメージ画像

i-Bondで投資をする際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的に確認してきましょう。

株式会社マリオンが不動産を運営してくれる

i-Bondの最大のメリットは運営会社である株式会社マリオンの豊富な不動産ノウハウによって得られる利益を享受できると言う点です。不動産投資には物件選定・管理等、様々なノウハウが必要です。株式会社マリオンはそれらのノウハウは全て持っているので、安心して任せることができるでしょう。

1万円から投資ができる

不動産クラウドファンディングのメリットは多くの人でお金を出し合うことで、一人一人の投資家の出資額が少なくても規模の大きい不動産に投資をすることができるという点です。i-Bondで投資をしている物件はどれも億単位の不動産ですが、1万円から投資をすることが可能です。

手軽に少額で不動産投資ができるという点は一つのメリットと言えます。

いつでも解約ができる

i-Bondはいつでも解約ができると言う点も大きなメリットです。投資をするうえで、重要な要素は利回り・安全性・流動性だと言われています。流動性とはいつ解約ができるかということです。投資を始める際はついつい利回りと安全性に目が行きがちですが、投資期間中にいつ資金が必要となるかわからないので、流動性も非常に重要です。

i-Bondは365日24時間解約受付が可能で、解約から5営業日で受け取ることができます。他の不動産クラウドファンディングは運用期間中解約ができないものも多いため、i-Bondの流動性はメリットが大きいと言えます。

運用期間が無期限

i-Bondは運用期間が無期限となっています。他の不動産クラウドファンディングは3ヶ月~2年程度で運用期間が定められていて運用期間が過ぎると償還するものが一般的です。

POINT

i-Bondは運用期間が無期限となっているため、老後資金を形成したい場合のように10年以上の長期運用に向いている商品です。

また、運用期間が短いと次の投資先をすぐに見つけないといけないので、面倒だと感じる方も多いのではないでしょうか。運用がずっと続いて、いつでも解約ができると言う点はi-Bondのメリットとなっています。

i-Bondのデメリット

デメリットのイメージ画像

ここまでi-Bondのメリットをご紹介しましたが、i-Bondにもデメリットはあります。i-Bondのデメリットを具体的に確認していきましょう。

元本保証はない

i-Bondは不動産に投資をして運営をしています。運用期間中毎年分配金を受け取ることができますが、元本自体は変動がありますので注意が必要です。i-Bondで元本割れする可能性があるのは投資をしている不動産の評価が下がっていた場合です。

i-Bondは運営会社の株式会社マリオンが投資をする物件を選定し運営・管理しています。株式会社マリオンの運営ノウハウを持ってすれば、運用が成功する可能性は高いと言えるでしょう。しかし、世界的な大恐慌で不動産の価値が下がることや、地震や台風等予期せぬ天変地異で物件がダメージを受けることもあり得ます。

投資の世界で絶対に大丈夫という投資対象はありませんので、元本保証はないということは理解して投資をするべきです。

利回りが低い

i-Bondの投資案件の利回りは年間1.5%です。他の投資型クラウドファンディングでは3%~7%程度のものが多く、比較的利回りは低い商品です。利回りを重視するのであれば、他の不動産クラウドファンディングに投資をする方が良いでしょう。

元本の値上がりは期待できない

投資には大きくわけて二つの収益源があります。一つは売買で差益を獲得する「キャピタルゲイン」、もう一つは家賃や利息等を受け取って定期的な収入を得る「インカムゲイン」です。i-Bondで投資をする場合、基本的にキャピタルゲインは期待することができません。

i-Bondで投資をする際の収入はインカムゲインだけであると言う点は覚えておきましょう。

優先劣後方式の劣後出資割合が低い

i-Bondは運営会社であるマリオンが劣後出資者として5%出資しています。優先劣後方式は投資家にとって有利な制度ですので、劣後出資割合は高ければ高いほど投資家にとって有利です。

POINT

他の不動産クラウドファンディングは高いものでは30%程度劣後出資しているものもあるため、比較的i-Bondの劣後出資割合は低いと言えるでしょう。

劣後出資割合が低いと言うことは投資家が損をする可能性が高いということになりますので、投資家にとってデメリットとなります。

i-Bondでの投資の始め方

段階を表すイメージ画像

i-Bondで実際に投資を始めるまでの流れをご紹介します。

CHECK

  1. ①会員登録
  2. ②会員情報登録
  3. ③本人確認キーを入力
  4. ④出資申込

①公式HPでメールアドレス・パスワードを登録すると登録したアドレス宛にログインIDが届きます。
公式HP:https://www.i-bond.jp/

②メールでIDが届いたら7日以内にログインして会員情報登録を行います。会員情報登録は住所や生年月日等をインターネット上で入力していきます。

③会員情報登録が完了すると株式会社マリオンからハガキが届きます。ハガキに記載されている本人確認キーを入力すると会員登録が完了です。

④会員登録が完了すると商品画面から出資申込を行うことができます。

まとめ

i-Bondについての記事のイメージ画像

今回はi-Bondについてご紹介しました。i-Bondは運営傾斜である株式会社マリオンが運営する不動産クラウドファンディングです。株式会社マリオンの不動産投資ノウハウで運用ができるメリットが大きい商品です。

また、いつでも解約できるので気軽に投資を始めることができる点も人気の理由と言えるでしょう。しかし、不動産投資はリスクがある投資です。比較的安全度は高い運用ですが、世界的な恐慌や天変地異が起こった際には元本を大きく下回ってしまう可能性もあります。

デメリットもしっかりと理解して運用を行う事が重要です。