TOP 投資/ソーシャルレンディング コラム不動産投資のリスクとは高い?現物不動産投資とクラウドファンディングでの不動産投資のリスクを解説!

人生100年時代と言われ、国民一人一人が自分で資産形成をしなければならない時代が到来しています。資産運用というと株式や債券などで運用する投資信託やFX、不動産投資などがあります。

不動産投資は従来、資金力が無ければ投資ができないものでしたが、「クラウドファンディング」と呼ばれる仕組みの活用により、少額でも不動産投資ができる時代になっています。

しかし、資産運用にはリスクがつきもの。リスクについてもしっかり理解して投資を行う必要があります。当記事では不動産投資やクラウドファンディングのリスクについてわかりやすく解説したいと思います。

資産運用における不動産投資に位置づけ

不動産投資のイメージ画像

資産運用において不動産投資はどのような位置づけとなるのでしょうか。資産運用全体の中で不動産投資はどのような投資なのか確認していきましょう。

まず資産運用において理解しておいていただきたいのは投資には必ずリスクがあるということです。また、リスクとリターンはトレードオフの関係にあります。つまりリターンが高い商品は必ずリスクも高いということです。

POINT

不動産はミドルリスク・ミドルリターンの投資対象と言われています。一般的にFXや株式は短期間で価格が激しく上下しますので、ハイリスク・ハイリターンの投資と言われています。

不動産は株式やFXに比べると値段の変動が小さいため、短期間で利益を上げることができない一方で、短期間で大きな損失が発生することも基本的にありません。不動産よりもリスクが低いのは債券です。

国債や社債などの債券は一般的に不動産投資よりも価格の変動が小さくリスクが小さいと言われています。その代わり、得られるリターンも少ないものです。

投資には必ずリスクがあり大きなリターンを得ようとすればするほど大きなリスクを背負うことになるということは覚えておくとよいでしょう。

現物不動産投資とクラウドファンディング

不動産投資のイメージ画像2

次に現物不動産投資と不動産クラウドファンディングはどのような投資家詳しくみていきましょう。

現物不動産投資

現物不動産投資とは現物の不動産を購入し、賃貸に出すことで利益を得る投資方法です。賃料÷物件価格が利回りとなります。例えば、5,000万円のマンションを購入し、家賃20万円(年間収入240万円)で賃貸した場合、利回りは4.8%(240万円÷5,000万円)です。

現物不動産投資は投資でありながら、現物不動産を手にすることができますので、自分で利用することも可能です。空室となった場合、自分や家族が使うことができると言う点も現物不動産投資のメリットと言えるでしょう。

現物不動産投資をする場合は現物の不動産を確認することが重要です。不動産は曜日や時間によって違う顔を見せることがありますので、何度か時間を変えて物件を見学することが重要です。

現物不動産投資は賃貸にだした賃料で収益を獲得することになりますので、空室となってしまっては利益を得ることができません。なるべく空室になりにくい物件を選定することが重要です。

不動産は広さや駅との距離や築年数など、様々な要素によって物件の魅力が大きく変わりますので、しっかりと物件を選定することが重要です。また、不動産投資は購入すれば終わりというわけではありません。

POINT

不動産を購入してからも家賃の回収や物件のメンテナンスを長期間行う必要があります。現物不動産投資は自分で使うこともできるというメリットもある一方で運営には手間がかかるというデメリットもあります。

不動産クラウドファンディング

次に不動産クラウドファンディングについて解説します。クラウドファンディングとは多くの人から資金を集める仕組みです。

「クラウド」は群衆。「ファンディング」は資金調達を意味します。クラウドファンディングの仕組みはインターネットの活用が広がったことで、利用が広がった仕組みです。

POINT

従来の資金調達は銀行等の金融機関で審査を受けて融資を受けることが一般的でした。しかし、インターネットが普及したことにより、事業者は個人投資家に直接事業内容をアピールし、資金を調達することができるのです。

事業者はクラウドファンディングの仕組みを活用することで、直接個人投資家に事業内容をアピールすることができるので、銀行の審査がおりない場合でも資金調達をできるというメリットがあります。

クラウドファンディングの仕組みは不動産投資だけでなく、様々な事業に活用されていますが、不動産とは特に相性がよいため、クラウドファンディングの仕組みが多く使われています。

不動産と相性が良い理由は現物不動産投資におけるデメリットを上手く解消できているということがあげられます。現物不動産投資のデメリットの一つとして投資金額が大きくなるということがあげられます。

現物不動産は最低でも数千万円、物件によっては億単位の資金が必要になります。ローンを組んで購入することもできますので、必ずしも現金を用意しなければならないわけではありませんが、億単位のローンは一般の人には背負うことは難しいでしょう。

POINT

しかし、クラウドファンディングの仕組みを使うことで一人一人の投資家が出資する金額が小さくても多くの投資家が集まることで、大規模な不動産を購入することが可能です。

クラウドファンディングの運営会社によっては1万円から投資ができるため、小口の投資家も参加できるようになり、不動産投資の裾野はかなり広がっていると言えるでしょう。

もう一つの理由は現物不動産の「手間がかかる」というデメリットを打ち消すことができている点にあります。不動産投資は物件の選定、購入後の家賃の管理や修繕、退去時の清掃などなにかと手間がかかるものです。

しかし不動産クラウドファンディングは不動産の運営は不動産のプロが行ってくれます。手間がかからないため、他にお仕事をされている方でも気軽の不動産投資に参加することが可能です。

不動産投資のリスク

リスクのイメージ画像

運用にはつきものですが、不動産投資にもリスクがあります。不動産投資にはどのようなリスクがあるのでしょうか。現物不動産とクラウドファンディングに分けて解説します。

現物不動産投資のリスク

現物不動産投資はどのようなリスクがあるのでしょうか。確認しておきましょう。

空室リスク

現物不動産の最大のリスクは空室リスクです。不動産投資では人に貸して賃料を得ることで、収益をあげることができます。しかし、空室になってしまうと収益がまったくあげられなくなってしまいます。

不動産を運営するためには固定資産税や修繕費等様々なコストがかかります。部屋が埋らないということはコストだけがかかってしまうということになりますので、空室は大きなリスクと言えるでしょう。

金利上昇リスク

借入をして不動産投資をしている場合、金利上昇にも要注意です。現在は超低金利が続いていますので、比較的金利コストは低く抑えることができるでしょう。

しばらくは低金利が続くと言われていますが、相場の変動はいつどのようなことが起こるかわからないものです。融資を受ける際は変動金利と固定金利を選択することができますが、変動金利を選択した際は金利上昇によるリスクを背負うことを覚えておく必要があります。

POINT

大きな金額を借り入れて長期間運用する不動産投資では金利上昇は大きなリスクとなります。1億円の借入をしていた場合、金利が1%あがるとコストが100万円あがりますので、賃料から得ていた収益をそれだけ圧迫するということになります。

場合によっては金利上昇によって毎月の収支が赤字となってしまうケースもあります。不動産投資をするために借入をする際は将来金利が上昇することも見越して借入金額を決める必要があります。

また、万が一金利が上昇した際にある程度払える資金を残しておくか、場合によっては固定金利で借入をするなど、金利上昇には備えておく必要があります。

天変地異のリスク

現物不動産は天変地位によって大きなダメージを受ける可能性もあります。日本は地震が多い国ですので、建物には厳しい耐震基準が設けられていますが、今までに経験したことがないような大きな地震が起きた場合、ダメージを受ける可能性があります。

また、大型の台風や大雨によって建物が損傷する場合もありますので、対策が必要です。天変地異のリスクに備えるために地震保険に加入するなど、対策を行っておく必要があります。

賃貸人とのトラブル

POINT

現物不動産投資では賃貸人とのトラブルが発生する可能性もあります。賃料の未払いや返却時の室内の汚損などによって原状回復でトラブルになってしまうケースもあります。

賃貸人とのトラブルになると金銭的なダメージもありますが、トラブル処理の手間も増えてしまいます。現物不動産は必ず借主との関係が発生しますので、トラブルになる可能性があるということは理解しておいた方がよいでしょう。

クラウドファンディングのリスク

次にクラウドファンディングにはどのようなリスクがあるのかみて行きましょう。

流動性リスク

流動性リスクは即ち換金できないリスクと考えてください。不動産クラウドファンディングは運用期間が定められており、長いものでは5年程度解約できない場合もあります。

万が一急に資金が必要となった場合、換金できないリスクがあります。そのため、クラウドファンディングで運用をする場合は余裕資金で運用をする必要があります。

デフォルトリスク

不動産クラウドファンディングは不動産運営のプロが不動産を購入し、管理・運営しています。不動産のプロが運営しているため、素人が行うよりはうまくいく可能性は高いと言えるでしょう。

しかし、不動産のプロでも想定していないような大不況や天変地異が発生して、不動産クラウドファンディングを運営している会社が元本や利息を払えないという可能性もあります。

不動産クラウドファンディングでは利回りなどが表示されて募集されていますが、元本保証の商品ではないので、確実に利益が得られるわけではないということは理解しておく必要があります。

リスクに備える方法

リスクヘッジのイメージ画像

不動産投資にはリスクがある事をご説明しました。しかし、リスクを全くとらなければ利益を得る事もできません。リスクと上手につきあいながら運用をすることが大切です。具体的にどのようにリスクに備えれば良いのでしょうか。

長期間持つことができる資金で運用する

不動産投資に限らず、投資をする際は長期間持つことができる資金で運用することが重要です。投資をしている期間中に運用がうまくいかない場合もありますが、後々回復してくるケースも多々あります。

すぐに必要な資金で運用してしまった場合、良くなるまで待つということができませんので、投資は長期間持つことができる資金で運用する方がよいでしょう。

分散して投資をする

POINT

投資の世界では「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。この言葉の意味は一つの資産に偏った投資をすると危険だということです。様々な資産に資産を分散することで、万が一そのなかの一つがダメージを受けたとしても全財産がダメージを受けるということを避けることができます。

分散投資をするという意味では、現物不動産投資ではどうしても、物件一つ一つの投資金額が大きくなってしまうため、なかなか分散することができません。

一方、不動産クラウドファンディングでは少額で投資をすることができるため、様々な不動産クラウドファンディング運営会社を利用して分散することができます。

まとめ

記事のイメージ画像

当記事では不動産投資のリスクについて解説しました。資産運用では必ずリスクがあります。高いリターンを得ようとするとリスクが高い商品に投資をする必要がありますので、必ずしもリスクが高い商品は悪い商品というわけではありません。

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資であると言われています。一般的に株式はハイリスク・ハイリターン、債券はローリスク・ローリターン。不動産投資はその中間に位置していると考えると良いでしょう。

また、不動産投資の中でも現物不動産投資と不動産クラウドファンディングでは異なるリスクがあります。一般的に不動産クラウドファンディングの方がリスクを抑えて運用することができますので、投資初心者の方は不動産クラウドファンディングから不動産投資を初めて見てもよいでしょう。